箱入り結婚のススメ
一通り挨拶が回ると、男性陣は私たちより五つ、六つ年上の二十九、三十歳だとわかり、それぞれ部署は違うものの、会社の同期だとわかった。
それぞれが楽しく自分のことを話してくれた。
なのに、私はと言えば……。
麻子に「自己紹介から勝負は始まるのよ」なんて鼻息を荒くして言われ、あらかじめ色々考えてきたのに、名前と幼稚園教諭をしていることくらいしか言えなくて、前途多難だ。
それでも、乾杯したときには、ひとつ仕事が終わったような気がして、なんとなくほっとした。
「このままだと話しにくいんで……」
仕切っていた東野(ひがしの)さんの提案で、男女入り乱れる席替えをすることになった。
確かに少し幅のあるテーブル越しに話すのはなんとなく難しかったけど、隣に座られるというのも緊張する。
学校だって女子校だったから、隣に男の人が座っている経験はせいぜい電車やバスに乗る時か、映画館の経験くらいしかないから。