箱入り結婚のススメ

『セックスは誰とでもできても、好きな人を抱けるのが一番幸せだ。
だから、好きな人に強く拒否されるとへこむ』。


いくつかのアンケート結果の中に、そんな文を見つけた私は、ドキッとした。
私……こんなに迷った気持ちでは、彼を拒んでしまいそうだ。


『彼女には恥ずかしがらずに積極的に求めて欲しい』。


次にそんな一文を見つけたときは、思わずページを閉じてしまった。
無理。絶対に、無理。


「私には難しすぎるよ」


『参考程度にしておきなさいよ』と麻子は言ったけれど、参考にもできないかもしれない。


そんなことをあれこれ考えていると、突然テーブルの上に置いてあったスマホが震えて慌てて手に取った。


「もしもし」

『もしもし、舞さん、おはよ。あっ、そっちはこんばんはだね』


それは室賀さんだった。

室賀さんのいるニューヨークは、日本との時差がマイナス十四時間ほどだと聞いている。
今、二十一時だから……ニューヨークは朝の七時だ。

< 193 / 450 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop