箱入り結婚のススメ
「あの人は……ホントに速水先生の、彼、ですか?」
「……はい」
そこまで言われて「違います」とは言えない。
私はうなずいた。
「はぁ。そうですか。
あの時強引だったから、もしかしたら迫られているだけなのかと……。
もしつきまとわれているのなら、と思ったんですが」
なぜだか盛大な溜息をついている小栗先生を見て、室賀さんの言っていたことが正しかったのかもしれないと思う。
「いえ。ご心配をおかけしてすみません。大丈夫、です」
「わかりました。お引き留めしてすみません」
職員室に戻ると、麻子と一緒に園を出た。
「ね、小栗先生なんだったの?」
「うん……」
室賀さんと鉢合わせしたことと、さっきの様子を話すと、麻子は「まさか、八分の一は舞だったんだ」とつぶやく。