箱入り結婚のススメ
「速水さん、なにか趣味は?」
私が黙りこんでしまったからか、室賀さんは話を変えてくれた。
「えっと、趣味……」
こんな時は、なんて言ったらいいって書いてあったんだろう。
なんだか頭が真っ白になって、なにも考えられなくなってしまった。
「僕は、こう見えても読書。
海外に行くと周りが英語ばかりになるから、すごく日本語が恋しくなる。
いちいち野郎に電話するのも気持ち悪いから、本を読むんだ」
私は思わず笑ってしまった。
室賀さんが男友達とくだらない話をするために、わざわざ国際電話をする様子を思わず思い浮かべたからだ。
「今、想像したでしょ」
「あっ……すみません」
「いや、僕も想像したら気分が悪くなった」
少し緊張がほぐれた。
「僕はホラー小説とか推理小説を好んで読むんだけど、女の人ってあまり読まないよね」
「いえ、私、実はホラーが大好きです」