君恋 ~あの夏の記憶~
でもそれからが大変で、第4クォーターは接戦だった。
流れなんてものはなくて点を取ったら取られる、そんな感じだった。
第4クォーターも残り30秒を切ったとき
『78対76』
あたしのチームが僅差で負けていた。
なんとか相手チームの攻撃を止め、オフェンスで、あたしにボールが回ってきた。
あたしの前には相手チームのエース。
両チームともにこのボールに勝敗がかかっていた。
あたしはいつも通りのプレーをした。
インサイドアウトからのフロントチェンジ、ビハインドザバック。
そして45°からの3Pシュート。
先輩や陽斗に教えた組み合わせ。
体に染み付いたそのプレーはいつも通りにできた。