青い残光【完】
近道らしき道を通って校庭を抜けて、広いグラウンドまで先輩に連れてきてもらった。
こないだ、あの人を見た場所だ。
先輩は、フェンスが途切れているグラウンドへの入り口を教えてくれた。
そこから、グラウンドの端まで歩いていくと…なんかボロいプレハブ小屋みたいなのがあった。
……なんか、嫌な予感がする。
中島先輩は、そのプレハブ小屋を指差した。
「あれがサッカー部の部室ね。ぱっと見ボロいけどー……マジでボロいよ!」
「見たまま、…。」
白目をむいたわたしを見ながら、先輩は嬉しそうに笑った。
「まぁ住めば都ってゆーの?なかなか良いよー。」
「……そんなもんですかね?」
中島先輩はウンウンと頷いた。
そして何か思い出したように、ポンと手を叩いた。
「あぁ、まだ部活前で着替えてるヤツがいるから、全員揃ったら挨拶しようかー……じゃ、練習中に飲むドリンクでも作りに行こう!」