青い残光【完】
そう思っていると…
キャプテンの松本さんが帰り際に、わたしのところにやってきて声をかけてくれた。
「じゃ、俺ら帰るな!お疲れー明日からもよろしく〜!」
「お疲れー!」
「は、い…お疲れさまでした」
きらりさんは元気よく返事していたけれど、わたしはどんなテンションで返したら良いのか分からなかった。
そんなわたしに松本さんは近付いて、頭をポンポンと撫でた。
わたしが驚きで固まったのを見て笑って、キャプテンは先輩たちと一緒に帰って行った。
きらりさんは、それをニヤニヤした目で見つめていた。
「ふふ、松本くん、優しーでしょ?部活中はキッチリな体育会系なんだけど、普段は面倒見が良くてすごい優しいんだよー」
「へぇ……」
「だから、何か困ったこととかはキャプテンやあたしに言うんだよ?……まぁ、皆優しい人ばっかりだし…きっと楽しくやっていけると思うよ」
きらりさんは、優しい口調でわたしにそう話してくれた。
…なんとなく分かった。
二人とも、わたしのことを気遣ってくれているんだ。
この部に入って、良かったなぁ……。
心から、そう思った。
「…はい!わたし、頑張ります!」
「よーし、頑張れー!」
なんとか、梅さんに話しかけたいけれど……まだわたしには覚えなきゃいけないことばかりで、そんな余裕がない。
でも、まずはちゃんとわたしの仕事を覚えなくちゃ!
帰り道、明日からの部活に、気合を入れ直した。