your magic
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ただただ、悔しかった。

自分がミスをしたわけでも、自分のせいでもない。上司である図書室主任の大野先生のせいでもない。決定は図書室のみの決定権で決めたことではない。専門選書と名付けられた、各分野ごとの大きい選書は、図書室の決定ではなく、職員会議により決議される事項だ。

けれども、その決定について、必ずしも全員が納得いくわけではない。だから、批判的意見を持つ先生も出るであろう。今までは、大野先生がいたから、はけ口がなかったのかもしれない。冷静になって考えれば、いろいろと見えてくるが、その批判意見の場に出食わすと、1年目の新人の私は、何も口をはさむことができず、ただただ謝るばかりであった。

新人だから言いくるめれば、何とかなるとでも思ったのだろうか。どう考えて見ても、一人で作業している時間を狙ってきたとしか思えない。大野先生が研修出張中でいない日を狙ったとしか思えなかった。
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