仕事しなさい!
まあ、しょうがないのかもしれない。

端から見たら、確かにお局が若い子口説いてる図に見えるのかも。
須賀くんが私をかまうことで、割りを食った子だっているんだろうし。

はぁ、でも凹む。
誰からも悪口言われないように、息を殺して、もめ事を避けて、ここまで来たのに。

こんな時、育休中の同期、サキちゃんがいてくれたらなぁ。
話聴いてくれるのに。
弓枝ちゃんも聴いてくれそうだけど、文句言ってるのが弓枝ちゃんの直の後輩じゃ、空気悪くなっちゃうよね。言えないや。

はぁ~。

深くため息をつくと、聞き覚えのある声が聞こえてきた。


「あー、村田と田中ちゃんがサボってるー!」


そのふざけた声は、須賀くんだ。
私はトイレの戸の陰から顔を覗かせる。
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