仕事しなさい!
「りんちゃん、東京から来たの?」


「そうだよ?」


「明日と、来週といる?」


「うーん、明日からはよその民宿を点々としようかと……」


「なんで?かいじと遊ぼうよー」


「遊ぶ、遊ぶ。でも、りんちゃんくたびれてお休みに来たんだ。だから、ちょっとブラブラ放浪したいんだよ」


3歳児にまともに答えてしまった。
これ、兄夫婦に伝えられたらやだな。

海士は「遊ぶ」という解答で満足したらしく、お利口にお弁当を食べ始めた。
一年ぶりに会う海士は、幼児から少年に変わる頃だった。

手足がすんなり伸びてきて、表情も男の子らしくなってきた。
私を見るやんちゃで一生懸命な瞳。
注意を引きたくて、拙い言葉でたくさん喋る。
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