仕事しなさい!
「好きにしていいよ」


私は静かに呟いた。


「いいよ。処女くらいもらってって。勉強賃」


「倫子さん……」


「だけど、きみとはもうおしまい。プロポーズはお断りします。
バカにするのも、大概にして。私を賭けに使って笑ってた男を好きになると思う?」


須賀くんが、それまでの上位者の表情を歪めた。
くしゃくしゃになるくらい、顔をしかめてうつむく。
彼の瞳から涙がこぼれ落ちるのが見えた。


「愛してます。倫子さん」


私は答えない。
須賀くんが私の肩に顔を埋めた。


「あなたと一緒にいたい」


「無理だよ。私はきみが嫌いだもん。もう、私の人生に関わらないで」

束の間だった。
彼は私をぎゅうっと抱き締め、それから身体を離した。
私を畳に残し、立ち上がる。

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