仕事しなさい!
「ねえ」


「あ、他の女の子のこと言うとかアウトですよね。ごめんなさい」


「そうじゃなくて。いい加減、年上をからかうのはやめてくれない?」


「からかってないですよ」


須賀くんは運ばれてきたグラスワインに唇をつける。
昨日、私にキスをした唇。
勝手に頬が赤くなるのを感じる。


「からかってるよ。私、きみに好かれるような容姿してないってわかってる。彼女候補なら、もっと可愛くて若い子にして。社内にもたくさんいるでしょ?」


「倫子さんは綺麗ですよ。自分をわかってないなぁ。だから、かっちり制服にうすーいメイク、髪の毛はひっつめてひとつ結びっていう定番地味スタイルなんだろうけどさ」


かちんとくる上から目線。
あんたの言い方に表れてんのよ。

『地味でオバサンに片足突っ込んでて、誰もかまってくんないだろうから、ちょっと遊んであげようかなぁ』ってのが!
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