俺様常務とシンデレラ
「そのパーティーの夜に、無防備さを改めろと教えてやったはずだろう。あんな半端な脅しじゃ足りなかったか?」
そう言った理久さんの瞳が鋭く光って私を見下ろす。
ヤバい、本気だ。
私はそう直感したけど、もうこの態勢ではどうしようもできない。
ベッドに押し倒され、両手首は頭上に固定され、頬を掴まれて足も押さえ込まれている……。
私が絶体絶命のその状況に息を飲んだ、そのとき。
バタンと大きな音をたてて、部屋のドアが開かれた。
「えっ!?」
「なっ、お前……!」
私と理久さんはドアを開けたその人物を目にして、同時に目を丸くした。
そしてその人も、ベッドの上でもつれ合う私たちを黒い瞳に映し、その漆黒を大きく見開いた。
肩で息をする彼の驚いた表情は、みるみるうちに凶悪な色を帯びる。
「東堂理久。今すぐそこから下りろ」
常務は地を這うような低く怒りを抑えた声で言い、眉をグッと寄せて鋭い視線で理久さんのことを睨み付けた。