胡蝶蘭


そして裏口につき開ければ目の前は
大通り。


お店の目の前は裏路地だというのに
裏口を大通りに面させてどうするのだと
昔聞けば、案外大通りのほうがみつかんないのよ。
なんて言われたことも思い出した。


『ここまで来ればもう安心ですね!』

なんて場違いに笑ったことも猛烈に覚えてる。

もちろん「お前、緊張感ねぇな。」
って突っ込まれて笑われたことも。


そしてそのまま、3人組の迎えの車が待っている
というコンビニまで走った。



そう、ここまでは曖昧なとこもあるけど
覚えているんだ。



そこから、そこから何があった?



ズキズキと頭が痛む。

吐き気もする。


まるで思い出すなと言うように。



でもあたしは考える。
何があったか必死で思い出す。




ーーーーあぁそうだ。
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