アノルマーレ

*****



「今日は転校生がいる」




そう担任が言う声が聞こえて来た。興味がないから窓の外をぼーっと眺めていた。



そして突然、懐かしい声が聞こえて来て



「成海芙結です。よろしくお願いします」


「は?」




名前を聞いて驚いて前を見てみるとミルクティーブラウンの眼鏡をかけた男が猫を抱いていた。



かわいー
やばい
小動物みたい


キャーキャーと騒ぐ女子たち。


“ナルミフユウ”?



おいおいマジかよ。思わず目を見開く。そうだ、あの顔は間違いなく成海だ。



「広井どうかした?」

「…なんでもない」



前の席の奴が、変な奴ーとか言いながら前を向き直した。




< 8 / 29 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop