私の片割れが隣の片割れに盗られた次の日、私はもう1人の片割れに告られた。



『前も迷子になってるよ、お前は』


…………いつの話?全然わかんないよ。

 
『ざっと10年前かな』


クスッと蒼は笑った。


「覚えてないよー……」


『泣いてたよ?』


「えぇ!!覚えてないっ!!」


『ま、はぐれたけど見つけて良かった』


「………………ありがと」


ホント、見つけてくれなかったらどーすんだってかんじか。


ありがと、蒼。


< 180 / 186 >

この作品をシェア

pagetop