風を切る君


「そういえばさ、お前知ってる?」

「知らなーい」

主語がないとなにもわからないから
わざと知らなーいと言ってみた。
すると、隼くんはぷくぅと
ほっぺを膨らませた。

「じゃあいいやー」

「ええ!?ごめんごめん!!」

まさか、いじけるなんて
思わなかったから私はあわてて
隼くんに手を合わせて謝った。

「よかろう!俺らのクラスに
また転校生くるんだとさ」

「ええ!?ほんとに?」

「しかも男!」

一クラスに二人も転校生なんて…
八クラスもあるのに
珍しいこともあるんだなーなんて
思いながら隼くんと話して
今日は帰った。

< 6 / 26 >

この作品をシェア

pagetop