運命の二人~白と黒の物語~
「リリー様!!」

凛々が地面にそっと下ろされた時、マーサが入り口のドアから走り出てきた。
階段を転がり落ちそうになりながら走りよってくると、抱きついてきた。
「リリー様!ご無事でよかった!申し訳ありませんでした。私がお一人でお庭に向かわせたばかりに。不慣れな場所だともっと配慮すべきでした!」


マーサの泣き腫らした目を見て、どれ程心配させたか分かる。



凛々は申し訳ない気持ちで一杯になり、マーサを抱きしめた。


「ごめんなさい。池で睡蓮の花を見てたら寝ちゃったみたいで。
マーサの言う通り、とっても綺麗だったよ。」


「睡蓮ご覧になったんですね。」
マーサは涙を拭きながらニッコリとした。

「うん。綺麗だったよ。花が輝いていて。教えてくれてありがとう。」


「リリー様。」


マーサは言葉を詰まらせ、涙で目を潤ませる。


凛々はまた泣かせてしまったと、慌てて話題をかえた。


「マーサ。お腹空いちゃった。」


マーサは涙を拭きながら「そうでしたね。今すぐご用意致します。
ジャスティス様。」

ジャスティスに近寄り、足下に膝まづいた。


「この度は私の不注意でご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。罰は何でもお受け致します。でも、どうかリリー様のお世話は今まで通り私にお任せ頂けないでしょうか。お願い致します。」


え?そんな大変な事になっちゃってるの?


ジャスティスのほうを見る。


ジャスティスは無表情だ。


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