運命の二人~白と黒の物語~
「やっぱ、無理だったか。」
武志はベンチの背に両腕を伸ばして、空を見ながら言った。

「な、なんで」
私が聞こうとする前に、武志が話し出した。

「俺さ。自慢じゃないけど、モテるんだよね。」
思いっきりの自慢なので思わず笑ってしまった。

「自分で言えるとは羨ましいね。」


「だからさ、分かるんだよ。恋してたら、そんな目で俺を見ないって。」


言われてドキリとした。告白されたばっかりなのに、こんなに近くに座っているのに、いつもの私がいることに。

「…ごめん。」

「謝んなよ。フラれたみたいだろ。」


また、ポンと頭を叩かれた。


「俺さ、この前駅で山下を見かけたんだ。」

唐突に武志が話し始めた。






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