運命の二人~白と黒の物語~
「ただ。条件があった。凛々も周りから何度も聞かされて、十分身にしみてるでしょ?契約にはリスクがある。」


凛々はゴクリと喉を鳴らした。


リリー・ルゥは、何を犠牲にしたんだろう。


「リリー・ルゥの場合は、自分の一部を地球に渡すことだった。
……凛々。それが君だよ。」


魂である、タロには表情などない。


でも、今私をじっと見て様子を伺っているのが分かる。


「大丈夫だから。続けて。」


タロは暫く考えているかのようにフワフワと飛び回り、また、凛々の肩へ戻ってきた。


「君はリリー・ルゥであってリリー・ルゥじゃない。凛々にこちら側の記憶がないのはそのせいだよ。凛々はリリー·ルゥの記憶の一部なんだ」





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