運命の二人~白と黒の物語~
慈しみ、守りたいと思っていた女性を傷つけた自分が許せなかった。


「すまない。こんな目に合わせて。
あの時、私は凛々に側にいると告げられて。本当に嬉しかったんだ。
なのに、あの魂へ愛を伝えている姿を目の当たりにして。
自分が止められなかった。
…本当にすまない…。」

ジャスティスは顔を上げず、手に額を押しつけたまま、肩を震わせていた。


凛々はジャスティスの方に身体を向けて、もうひとつの手を伸ばした。


髪に触れられ、ジャスティスはビクッと顔を起こした。


ジャスティスの目には後悔と悲しみが溢れていて、見ている凛々のほうが辛くなった。


「大丈夫だから。ジェットは何も悪くないの。
今回のことは。貴方の知らないことも沢山あったから…。話を聞いてくれる?」


ジャスティスは温かい手に頬を寄せた。

凛々の顔を見ると、疲れてはいるが、穏やかな顔でこちらを見ていた。
どこか悲しそうな顔が、彼女の覚悟を物語っている。


「ああ。話してくれ。」

ジャスティスが促すと、凛々は考えるように少し間をおいてから、リリー・ルゥの事、自分の事を話始めた。






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