エターナル・フロンティア~前編~
「研究さ」
「研究?」
「此処とうちは、共同で研究を行っている。だから、アカデミーに僕がいてもおかしくはない」
アカデミーは連邦と共同研究を行っていると、ソラはイリアから聞いたことがあった。それに、イリア自身も定期的に連邦に通っている。そのことは納得できたソラであったが、他にも疑問は存在した。それは偶然過ぎ出会いが、ユアンの策略のひとつではないかと思ったからだ。
「怪しいと思っても、偶然だから仕方がない」
「そうですか」
しかし、そのことを聞こうという気にはならない。たとえ疑問を投げ掛けたとしても、正確に答えてくれる相手ではない。するとブスっとした表情を見せているソラに、ユアンは別の質問をしてきた。それは先程の事件に関することを含めた、答えたくない質問であった。
「何故、君達が此処に?」
「ソラの幼馴染に、会いに来ました!」
「ああ、なるほど」
特に、疑問を持っている様子はない。彼は、最初からイリアが此処に通っていることを知っていた。それに、ソラがアカデミーを訪れる理由はひとつしかない。つまり、聞く以前の問題だった。それだというのに彼は質問を投げ掛けたのだから、まさに食えない人物としかいえない。
「で、どうだった?」
「それが、迷子に……」
「それは、大変だ」
口をつむぐソラに代わって、カディオが今までの経緯と結果に付いて話していく。語られた内容に苦笑いを浮かべると、ユアンは案内を買って出た。予想外の提案にカディオは身体全体を使って喜びを表現するが、ソラは信じられないという視線を向けていた。そして、睨み付ける。
「不満かね?」
「いつもの貴方とは違う」
「本来の僕は、此方が正しい。それに、このままでは本当に捕まってしまう。僕といる方が安全だ」
その提案を断ることもできたが、ユアンが言っていることは正しかった。道がわからないというのもそうであったが、不審者として捕まるわけにはいかない。この場合、信頼が篤いユアンが側にいる方が何かと安全。そう判断したソラは無言で頷くと、渋々提案に従う。