ラズベリー


私は一息つくためにベランダに行った。


オレンジジュースを片手に持って移動した。


そしてベランダから外の景色を眺めていた。


星が輝き、意外にも明るく照らしていた。


空気も気持ちよかった。


そこへシャンパンを持った優輝が隣に立っていた。


「さっきはどうも。
楽しかったよ。」


「ありがとう。
私も楽しかった。」


思いっきりの笑顔を彼に向けて言う。


「……いや//こっちも
楽しかったし。そのー…」


俺はその笑顔が仮面をかぶっていたのに、なぜか気なってしまった。


なぜだろう…。

どこか愛しい…。

でも、どこか懐かしかった。


「ん?その何?」


少女は俺の顔を仮面越しに覗き込んでくる。


「あっ!!
その…ほ、星が……」


「あぁ。星がきれいだね。」


その子は嬉しそうに空を眺めていた。


その横顔が俺の脳裏に焼きついてしまったらしい。


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