名前も知らない君を
家に着いてからというものの、
気がつくと、ぼんやりとしてしまう。
「はぁ~」
と、何度目かもわからないため息をついた。
「どうしたの~?何かあった?もう今日は早く休んじゃないなさい。」
見かねたお母さんにそう言われる。
「う~ん。そうしよっかな。おやすみ。」
ベッドに入ってからも、ぐるぐるぐるぐるとバスの中での事を考えてしまう。
「だめだ!疲れてるんだから早く寝よっと」
そうして目を閉じると、
やはり疲れきった体で睡魔には勝てず
深い眠りに落ちた。