不機嫌でかつスイートなカラダ ベリーズ文庫版
ああ、やっぱり。

90%ぐらいわかりきっていたことなのに、面と向かって言われると、想像以上にダメージを受けた。

心臓がキリキリと痛む。


「イブは予定入ってるんだ」

「あはっ……。そっか、だよね。私、いつも急すぎるよね。ごめんね」


意味もなく髪を触りながら話し続けた。

もうまともに卓巳君の顔を見ることもできない。

それでも、傷ついてるなんて、気づかれたくなかった。


「イブに暇してるなんて、私ぐらいのもんかぁ。ホント、私、ダサいよね……あはは」

「萌香ちゃん」

「あ、いいのいいの。気にしないでね。友達とどっか遊びに行っちゃおうかなっ……」

「萌香ちゃん、なんで泣くの?」

「え……」


< 103 / 277 >

この作品をシェア

pagetop