不機嫌でかつスイートなカラダ ベリーズ文庫版
コーヒーなんてあっという間に冷めちゃうんだなぁ。

きっと人の心もそんなもんだよね。

そうしみじみと思った瞬間、私の中にはある決断が生まれていた。


この恋が苦くて冷たくて、まずくなる前に、終わらせよう。

卓巳君が私に飽きて、嫌いになる前に、私からちゃんとサヨナラを言おう。

最後の日は、クリスマスイブ。

会うのは昼間だけだけど、ふたりで楽しく過ごして、それで終わりにする。

だけど、ちゃんと自分の気持ちは伝えよう。

“好き”って言葉にしよう。


卓巳君はきっと和美さんを選ぶだろう。

それでいい。

そしたらちゃんとお別れできる。


私はクリスマスイブに、卓巳君とサヨナラするんだ。


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