不機嫌でかつスイートなカラダ ベリーズ文庫版
ワンピースに袖を通した。

前に卓巳君が好きだって言ってくれたスカートと同じような素材。

背中のファスナーを上げる。

胸元は鎖骨よりかなり下のあたりまでスクエア型に開いていて、レースがあしらわれている。

ちょっとキワドイかなぁ。

前かがみになったら、谷間が見えちゃいそうだなぁ。

念入りに鏡の前でチェックする。


うん。
これぐらいなら大丈夫かな。

そして、小さなパールがあしらわれた、お気に入りのネックレスをつける。

耳にはおそろいのピアス。

こんなふうに大好きな人のためにオシャレをしていると、女の子に生まれてよかったなって思う。

だけどこんな努力、男の子はきっと気づきもしないんだろうな。

それでも、いつもとちがう私にドキドキしてくれないかな、なんて思いながら準備するんだけど。


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