不機嫌でかつスイートなカラダ ベリーズ文庫版
髪はゆるく巻いてアップにした。

香水はどうしよう……。

香水のボトルを手にとって、しばらく眺める。

今日はやめておこう。卓巳君に私の香りが移ったら、きっと迷惑になるから……。

ボトルをコトリと鏡の前に置いた。

そして、もう一度鏡の中を覗きこんで自分に言い聞かせる。

ずっと考えて、考えて、決めたこと。

今日、ちゃんと告白する。

「好き」って言葉にする。

フラれたら、もう二度と会えない。それでも勇気を持たなきゃ。


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