不機嫌でかつスイートなカラダ ベリーズ文庫版
一方、私は完全に腰を抜かしてしまって、立ち上がることもできない。

そんな私を見下ろして、卓巳君は力なく言う。


「ごめん、萌香ちゃん。もうホントにタイムリミットだ」


山川さんは卓巳君をうながして、車の中に押しこんだ。

なに?
なにが起こっているの?

ぼう然とする私の腕を和美さんが掴み、そのまま私を立ち上がらせる。


「和美さん……あの、私……」


思考がまとまらない。

謝らなきゃいけないんだよね。

でも、そんなことで許されるの?


体も声も震えてる。

なにもできないでいる私に、和美さんは妖艶ともとれる笑顔でにっこり微笑んだ。


「こんばんは。萌香さん」

「え……」


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