不機嫌でかつスイートなカラダ ベリーズ文庫版
「萌香……」

「それなのに連絡先を調べたりしたら、ウザがられるよ。1回したぐらいで本気にすんなよ、みたいに迷惑がられたら嫌だし。だから、これでいいの」


そうだよ。
いきさつはどうであれ、初対面で、簡単にホテルについていったんだもん。

なんだかんだ言って、軽い女だって思われてるよ、きっと。

そんなことを考えてたら、胸が苦しくて、泣きそうになってきた。

頭ではわかってるのに、それでもほんのちょっとだけ、もう一度会いたかったな、なんて……。なんでそう思ってしまうんだろう。


ふいに着信音が鳴り響き、沙耶がスマホの画面を確認する。


「あ……優一君だ。さっきの、すぐ切ったつもりだったけど、着信残っちゃったのかな。とりあえず出るね」

「うん」


電話に出た沙耶は、私の気持ちに配慮してくれたのか、「昨日はどうもー」なんて当たりさわりのない会話をしている。


「えっ? あ……うん、今、一緒にいるけど?」


なぜかチラリとこちらを見る。

そして「萌香に替わって、だってさ」と、スマホを差し出してきた。


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