不機嫌でかつスイートなカラダ ベリーズ文庫版
まるで楽器みたいだなって思う。

私の体は、彼の指や唇、舌に反応して甘い音を奏でる。

その反応を見て彼がクスクス笑うから、私は恥ずかしくて、不安で、どうしようもなくなる。


「……なんで笑うの?」


私、どこかヘンなの? 

泣きそうな瞳で尋ねる。


「スゲー素直な反応するなぁって」


またクスクス笑いながら、耳もとでそう囁かれて……。


「もぉ……やだ……」


悔しくて抵抗しようとしたら、両手を押さえこまれて、甘いキスではぐらかされた。

私だけがいっぱいいっぱいで、彼はいつも余裕しゃくしゃくって感じ。

ずるい、ずるい、ずるい。

だけど、頭の中で巡る思いは口に出せなくて、代わりに甘い声が漏れる。

自分のものではないような声を聞きながら、朦朧とする意識の中で彼にしがみついた。


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