不機嫌でかつスイートなカラダ ベリーズ文庫版
私はふーっと大きくため息をついた。


「笑いごとじゃないんだから。これ、真剣に悩んでるんだよぉ」


私は……エッチが嫌いだ。


自分の体はどこかおかしくて、病気なんじゃないか、とさえ思っている。

あれが気持ち良いだなんて冗談でしょ?って思う。

首筋や胸、太もも……どこを触られても、なんだかくすぐったいだけ。

でも、感じなきゃ彼氏――というか、元彼だけど――に悪い気がして、演技で無理やりエッチな声をそれっぽく出してみたりした。

そんな自分を冷静に見ているうちに、さらに冷めてしまって、いざという時には、もう体はガチガチ。

心も体もなにも準備できていない状態で、行き着く先は痛みだけ。

『早く終わってほしい……』と思いながら、いつも苦痛に耐えていた。



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