あなたのために。-光と影-




広くて円形の湯船に楓と湯に浸かる。
でも距離をとって奴とは反対側に座る。




私が片腕を使えないことをいいことに強引に服を脱がせては髪の毛から体の隅々まで奴に洗われた。




せめて、せめて私が洗えないところを洗ってくれればいいのに…!




ギプスが濡れないようにビニールで保護された片腕はバスタブの縁に乗せ、顔から下を湯に入れて奴を睨む。




楓は濡れた髪を妖艶に搔き上げて私をその双眸に捉える。




「…そんなに嫌か。今更だろ」




確かに楓に素肌を見られるのは今更。
復讐のために何度も抱かれた時に全てみられている。




でもあの時は復讐するためという理由があったから。




今は違う。




私は楓を好きになってしまった。




好きでもない奴に素肌を見られるのと、好きな人に見られるのは全然違う。




だから嫌だったんだ。
奴とお風呂に入るのは。



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