SPRING SNOW~春の雪(はるのゆき)~
〜Shunside〜

「そうだよな。」

いきなり聞こえてきた声。

「雪都兄ちゃん。」

兄ちゃん?

あれ、この人前にどっかで…

「紹介するね、この人私のお兄ちゃん。冬川雪都(ふゆかわゆきと)。」

思い出した!この人、前に雪と一緒に歩いていた人だ。

兄さんだったのか…

「なんだ、今来たの雪都兄ちゃんだったの。」

「なんだとはないだろ?いいじゃないか。俺がここに来たって。」

「別にダメとは言ってないじゃない。」

「それはそうと君は『ふわふわ王子』か?」

ふわふわ王子?

なんだそれ?

「ちょ…雪都兄ちゃん!」

「ん?君は自分が何て呼ばれているのか知らないのか?」

「ええ、まぁ…」

「君は学校では『ふわふわ王子』って呼ばれているらしいよ。」

え?なんで?

そう思って雪の方を向く。

少しためらいながらも、雪は教えてくれた。

「ほら、春は見ためがふわふわしてるでしょ?」

だから、ふわふわ王子なんだって…と。

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