時の使い~バスケ男子に恋をして~
「人が動けるのも生きていくことができるのもその時間を配ってくれる者がいるから」
「そんなこと人間にはできなくね?」
「そう。だから私みたいな者がいる。人は決まっただけの時間の花をもっているの」
「花?」
「そう。その時間の花が音にならない音楽を奏でて人に入って行く。これがいわゆる時間」
「今も」
「太田には太田だけの時間の花があるの。その花を見ることができるのはゼックンドゥに抱きかかえてもらえる者だけ」
「誰?」
「ゴット・ハワ・ミニット・ゼックンドゥ」
知らない
「この人が長を務めてるの。今はゼックンドゥが時間を配ってる」
「じゃあなんで時ノが消えるの?」
「正確に言うとこの人間が住む場所から消えるの。ゼックンドゥが住む時間の家に行くから」
「なんで?」
「ゼックンドゥみたいに時間を配れるように修行しなきゃいけないから」
「それ、どれくらいかかるの?」
「10年ぐらい」
「そんなに?」
「うん。でも終わればここにいても時間を配れるようになるからまた戻ってこれる」
「じゃあ俺待ってるよ」
自分でも驚くほどすんなりと言えた
「だから早く修行おわらせろよ」
時ノの顔に涙が伝う
「いいの?」
「当たり前だ。ちなみにいつここから去るの?」
「明後日」
思ったよりもはやいなぁ