大好きなんです
リビングには優子さんが優雅にお茶を飲んでいて。
「あら、流お帰り〜」
にっこりとした笑顔に助けを求めるけど、優子さんはただ綺麗な笑顔を返すだけで。
「ケーキ、ここ置いておくから」
「はいはい、ありがとね〜」
「あと、萌借りてく」
「準備はほとんどできてるから、優と流星(リュウセイ)が帰ってくるまで萌ちゃんと一緒にいていいわよ」
にやり、と優子さんが少し意地悪な笑顔を浮かべて。
……まさか、優子さん、この状況になるって予想してたの?
「じゃ、部屋にいるから」
「はいは〜い、あんまり萌ちゃんいじめちゃ駄目よぉ〜」
うふふ、という優子さんの笑顔に見送られて、あたしと流はリビングを出た。
向かう先はもちろん流の部屋で。
でも、今二人っきりになっちゃうとどんな反応をすればいいのか分からないよぉ〜〜〜!!
「あ、あの、これじゃ階段は上れないから……」
だからリビングに戻ろう?と続けようとしたあたしの前に、腰にあった流の手が消える。
ほっとしたのも一瞬で、
「きゃあっ!!?」
ぐいっと力がかかったと思ったら、あたしの目線はぐるりとまわって、流の肩に担がれていた。
こ、怖いよこの体勢!!
それにあたし軽くないのに!!
逃げたいけどもし落ちたら……という恐怖からおとなしくじっとしている。
けどやっぱり怖いから、ちょっとだけ流の服を掴んだ。
トントン、と流が階段を上がって部屋に入る。
部屋の中は少しだけひんやりとしていた。
「よっと、」
「ひゃっ!」
再び感じたぐるりとした感覚に思わず目を閉じる。
ぽふん、とあたしが着地したのは柔らかなベッドの上だった。