大好きなんです




………今夜は、流とあたしの二人っきり。


その事実にへなへなと思わず座り込んでしまう。



だ、だって二人っきりだよ?


緊張しない方がおかしい、よね?


流はあんまり緊張してないみたい、というかいつも通りに見えるけど……


さっきの優くんとの話を思い出してしまい、顔が熱くなる。



うぅ……意識しちゃうよぉ。


誰に見られているわけでもないけど、恥ずかしくて持っていた着替えに顔を埋める。


……いつまでもこんなことしていられないよね。



「と、とりあえずお風呂入ろう」



流にも言われたし。


ドキドキしながら浴室に入る。


湯船にはピンク色の入浴剤が入っていて。



「うわぁ、かわいい」



優子さんの趣味かな。


湯船に浸かるとじんわりとした温かさが体に広がって、頬が緩む。



「いい香り……」



花の香り、かな?


ふふっ、すごく贅沢をしている気分。



ぱしゃぱしゃと湯船でしばらく遊んで、充分に温まってから、あたしはお風呂を出た。


うーん、体から花の香りがする。


入浴剤の香りが移っちゃったのかな。


髪からは流のシャンプーの香りがして。


カアァ、と顔が熱くなる。



「今、お風呂上がりでよかった……」



顔が赤いのをお風呂のせいにできるもんね。


お気に入りのルームウェアに着替える。



そういえば、ドライヤーってどこにあるんだろう。



「ここにはないよね……」



そのままにしておくわけにもいかないし……流に聞こうかな。


肩にタオルをかけたままあたしはリビングに向かう。



「流、お風呂今上がったよ」



ひょこっ、とリビングのドアから顔だけ覗いてみた。






< 183 / 212 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop