大好きなんです



「おはよ」


「おはよう、ゆっちゃん」



この前席替えをしたけど、奇跡的にゆっちゃんとあたしはまた前後で同じ席になった。


残念ながら霧谷くんとは離れちゃったけど……



あたしは廊下側の前から二番目、ゆっちゃんはその後ろで霧谷くんは窓側の一番後ろ。



はい。思いっきり離れました。


あまり話ができなくなっちゃったんだ。


うぅー……ちょっと寂しいな。



ちらりと霧谷くんの方を見ると霧谷くんはすでに来ていて、本を読んでいた。


今日はなんの本読んでるんだろう……



じっと見ているとばちっと目があった。



みんなには分からないように笑みを浮かべて霧谷くんは小さくおはよう、と言った。


あたしも小さく挨拶を返すと、後ろからとんとんと肩を叩かれた。



「相変わらずあんたたちラブラブね」



にやりと笑いながらゆっちゃんはあたしと霧谷くんを見比べる。



「うっ、そ、そんなこと……」



じわり、と頬に熱が集まる。



「ないとは言わせないわよ。朝から見つめあっちゃって」


「うっ……」



い、言い返せない……



「ま、そんなことはどうでもいいんだけど」



よ、よかった……このままいってたら絶対にからかわれてたよ。


ほっと息を吐く。



「ね、萌。今日文化祭の衣装決めるでしょ?」


「あ、そういえば……」



昨日そんなこと言ってかな……?


あたしたちのクラスはコスプレ喫茶をすることになって、何故かみんな強制的に衣装を着ることに……


その上あたしは調理担当になりたかったのに、よりによって接客担当になっちゃったんだよね。



「自分で決めるのも面白くないし、あたしのは萌が決めてよ。そのかわり、萌のはあたしが決めるから。ね?」



キラキラとゆっちゃんは目を輝かせる。





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