大好きなんです
「あ、きみが霧谷くんなんだ。夕希から聞いてるよ」
噂通りイケメンだねぇ、と未希さんはにやにやと霧谷くんを見る。
うぅ……霧谷くん困ってるよぉ。
「いいねぇ……一回モデルになってもらいたいぐらい」
「み、未希さん!!」
「大丈夫、萌ちゃんの彼氏だもん。ヘンなことはしないって」
「うぅ……」
それは分かってるけど……
「未希さんの冗談は冗談に聞こえないし、心配にもなりますよ……」
「あははっ、そう?」
ごめんごめん、と未希さんはあたしを抱き締める。
そういえば、未希さんは小さい頃からあたしの機嫌を治すときにはこうして抱き締めてたなぁ…
「モデルぐらいならいいですけど……」
「!!だ、だめだよ霧谷くん!!」
「あ、いいのー?」
キラリ、と未希さんの瞳が光る。
「えぇ、別に……」
「ヌードモデルだけど」
「…………」
「わたし、絵も描いてるの。いいモデルが欲しかったのよね〜」
にこりとかわいい笑顔を浮かべて言った一言に霧谷くんは唖然。
………ごめんね霧谷くん。
こういう人なんだよ……
「で、どうする?」
「………遠慮しときます」
「そっか、残念だなぁ」
あはは、と笑って未希さんはあたしを離した。
「じゃ、時間もないしさっさと撮っちゃおっか。
それが目的でここ来たんでしょ?」
やっぱり、未希さんには全てお見通しなんだなぁ……
「お願いします」
「はーい。じゃあそこ立ってね」
不思議そうな顔をする霧谷くんの手をとって、あたしは未希さんに言われた通りの場所に立つ。
「萌、何するんです?」
「えっとね、未希さんに写真撮ってもらおうと思って……」
「写真?」
「うん」
霧谷くんは少し顔をしかめる。
峰くんから聞いてたけど、やっぱり写真は嫌いなのかな……