星空と君の手
私が回想している間に、彼は寝てしまったのだろうか、つないでいた彼の手に入っていた力が緩んでしまっていた。
もう一度、私がぎゅっと手を握ってみても反応はない。


「初めて手を繋いだときもこんなかんじだったんだよ」

彼の手の温もりを感じながら、隣で寝息を立てる彼に声をかけた。

昔感じていた前の彼女の影は今はもう何処にもなくて、あんなに頑なに言わなかった好きだという言葉も口にしてくれるようになった。


大学生として一緒に過ごすことができるのはあと一年ほどしかないけれど、

「これからも、当たり前のように隣にいてね」

きっと私はこの手を離さないでいるから。
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