蜜は甘いとは限らない。【完】
なんとか腰をうねらせて逃げようとすると、さらにぐっと強く両手を掴まれる。
「ちょっと、手アザになったらどうしてくれんの?!」
「どうもしねぇよ。
少し喚くのやめろ」
さらに動けなくなったあたしはイライラして大きな声を出す。
そうでもしてないと、落ち着いてられないから。
「喚く?!
そもそもっ」
「それ以上喚くと、塞ぐぞ。口」
「るさいっ
あたしはっ……んっ」
え…?
クチュ……と艶のある水音がする。
さっきまで動かしていた自分の口は塞がれ、口内では寺島のモノが動いてて話せない。
「っ……はぁっ、何、すんのよ!!」
「あ?
言っただろ、塞ぐって」
それとも、またキスされてぇのか?