無口な上司の甘い罠

「丁度、貴女で最後だから、すぐに診察できますよ、

それとも、コンタクトかしら？」


「エ、あの、私は「コンタクトです」

私の言葉を遮って、宮本部長が答えてしまった。


「部長、私はメガネがいいんです」

「うるさい、上司命令だ、サッサと合わせてこい」

・・・う。

私たちの会話を、変な目で見る看護師さんや、受付。

…私は深い溜息をつき、中へと足を進めた。



…それから、１５分後。

合うコンタクトがあった為、すぐにそれを差し出された。

財布を取り出すと・・・あれ？


「あの、会計」

「あぁ、さっきの上司の方が払って出ていっちゃいましたよ」

「・・・」

とりあえず頭を下げ、外に出ると、

宮本部長は、たばこを吸っていた。

…この人、一体何考えてんだ？

この人の行動の意味がさっぱり理解できない。