無口な上司の甘い罠

★三十路はお好き?

…夢の中に、隆盛と宮本部長が出てきた。

…二人に告白され、それを知った隆盛と宮本部長が、

喧嘩を始めた。

必死に止めていると、どちらかの振りかぶった拳が、

私の頬に命中して、目が覚めた。


「…なんだかリアル」

目を瞑ったまま私は殴られて方の頬を擦る。

今目の前で、現実に起こったと思えるほど、鮮明な映像で、

凄くイヤだった。


…三十路を迎え、私には、恋なんてもう永遠にないなと、

思っていたのに、突然二人から告白されて、

何もかもがついて行かない。


こんな事なら、彼氏の一人や二人、

ちゃんと作っておくべきだったかな、なんて・・・


…パチッ。

目を大きく見開き、現実に戻る。


「みんな、ちょっと病気なのかも」

そんな事を呟き、むくっと起きる。


「・・・そうよ、きっと。私を好きなんて、そんな事無いわ」

また呟き、身支度を始めた。
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