恋愛禁止（ホラー）
「あの、今日お尋ねしたのは……実は柚乃さんがどうして亡くなったのか聞きたくて来たんです」


こんなぶしつけな質問では怒らせてしまうかもしれない。


だけどここまできて中途半端で終わらせることはできなくて、あたしは勇気を出してそう訊ねた。


正座をしてテーブルを挟み、あたしは琢磨さんを見つめる。


「柚乃は私の１人娘でした。妻は柚乃を生んだ時に死んでしまって、それからずっと私は１人で柚乃を育てていました。


給料のいい会社では柚乃と一緒にいる時間までとられてしまうから、転職をして近所の下請け工場に再就職をしたんです。


柚乃のそばにいてやりたい。質素な生活でいいから、柚乃と一緒の時間が持てればそれでいい。そう思って……」


徐々に声は小さくなり、琢磨さんは言葉を切った。


さっきまでこちらを見ていたけれど今ではうつむき、自分の拳ばかりを見つめている。
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