恋愛禁止(ホラー)
「やっぱり、俺たちは別れるしかないのか? あの噂の真相まであと少しなのに……!」


泣きそうに表情を歪めて、竜季が言う。


あたしはそんな竜季の手を強く握りしめた。


「あたしだって別れたくなんてないよ! でも……真相を突き止めたとしても、無事でいられる保証なんて、どこにもない……」


あたしが言い終わる前に、竜季があたしの体をきつく抱きしめてきた。


竜季の甘い香水の香りがする。


大きくて暖かな腕に包まれていると、永遠にこの時間が続きそうなきさえしてくる。


でも……。


あたしは竜季から身を離した。


気持ちが揺らぐ前に、言わなきゃいけない。


「ねぇ、竜季あたしたち……」


「聞きたくない! 言わないでくれツムギ!」
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