恋愛禁止(ホラー)
竜季は両耳をふさぎ叫ぶ。


あたしは気が付けば自分の頬に涙が伝っていることに気が付いた。


あぁ、あたしも泣いているんだ。


好き同士なのに別れるって、こんなにつらいんだ。


「少し……距離を置こう。竜季」


風が吹き、ざぁっと木々がざわめく。


竜季が赤く充血した目であたしを見た。


「ツムギ……本気か?」


「ごめんね、あたしの都合でこんなこと言って……」


『でも、ずっとずっと大好きだから。気持ちは絶対に変わらないから』


その言葉は、喉の奥へと飲み込んだ。


あたしは竜季の頬に伝う涙を指先でぬぐい、そして竜季に背を向けた。


「ツムギ!!」
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