恋愛禁止(ホラー)
そう思い、立ち上がる。


寮の門限はもう過ぎているから、いろはちゃんはきっと寮内にいるハズだ。


探しに行こうとドアを開けた、その時だった。


寮内に誰かの悲鳴が響き渡ったのだ。


一瞬その場に硬直し、ハッと我に返って悲鳴が起こった方向へと走って行く。


どうやら、その悲鳴はお風呂から聞こえてきたようだ。


他の生徒たちと合流して走って行くと、そこに立っていたのは1年生の寮生で、青ざめた表情で両手に口を当てている。


「一体どうしたの?」


生徒の1人がそう聞くと、「そこに……」と震える指先でお風呂場を指差した。


全員の視線が脱衣所を通り過ぎ、お風呂場へと向かう。
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