ずっと、好きでいる。
意を決してマンションの呼び鈴を鳴らす。
『おかえりー。 今開けるねー』インターホンから藍の声がした。
鍵が開き、玄関のドアを開けると、藍が笑顔でオレを出迎えてくれた。
「ゴハンもお風呂も出来てるけど、どっちにす・・・・・・・・・このコは・・・・・・親戚のコ??」
藍の視線が優貴に止まった。
「・・・・・・・・・・優貴っていうんだ。 藍、優貴の分も晩メシある??」
玄関先で話せる話題ではない。
それに、オレは優貴の保護者だ。
お腹を空かせただろう優貴に、何かを食べさせなくては。
「あ、うん。 いっぱい作ったからダイジョウブ。 どうぞ上がって、優貴くん」
何も知らない藍が、笑顔で優貴を招き入れた。
優貴はそんな藍に微笑み返す事さえせず、藍を無視する様に部屋の中に入って行った。
『え?? 何でワタシ、いきなり嫌われたの??』といぶかしげな表情を浮かべる藍。
藍は何も悪くない。
でもやっぱり、優貴の母親は、優子だけなんだ。