黒の瞳
後書き

ちょこっと語る

 名古屋の女子大に通っていた四年間が、フィギュアスケートとの出会いを生んでくれた。そんな風に思っています。初めてテレビで観戦したのは、多分19か20の時。友達が真央ちゃんこと浅田真央選手のファンで、「一度フィギュア観てみて!」と言われてお茶の間で待機していたのですが、私の心を掴んだのは、羽生結弦選手でした。

 氷にキスしているのを見て、“この人すげーな……”と。表現力とか体型もとても好みで、それからフィギュアスケートを貪るように観て、色んな選手を好きになりました。トリプルアクセルに果敢に挑む、浅田真央選手。エキシビションの『ブエノスアイレスの春』で虜にしてくれた、高橋大輔選手。スマイルが一際弾ける、村上佳菜子選手。リアル王子様だと思った、ケビン・レイノルズ選手。見た目の美貌も然ることながら、存在感は抜群のユリア・リプニツカヤ選手。他にも沢山居るけれど、最後に挙げたいのは、このお話のモデルになったあの方です。

 『キル・ビル』の勇ましい表情や、『オペラ座の怪人』での可愛らしい笑顔、大好きでした。『リベルタンゴ』での情熱的な一面も、「O」で見たのびのびとした滑りも忘れられません。鈴木明子さんは、私の大好きなスケート選手の一人です。

 引退だと聞いた時は、本当にびっくりしました。もっと彼女の演技を見ていたかったと思いました。でも、彼女の人生は彼女の物です。だから、彼女の決めたことなら、喜んで“お疲れ様!”と送り出してあげようと思いました。

 まだ現役で活躍してくれる選手も居るし、宮原知子選手や今井遥選手、宇野昌磨選手など、次世代を担う注目スケーターも居る。これからもずっと、フィギュアスケートのファンで居続けようと思います。

 明子さん、今まで本当にありがとう。お疲れ様でした。高橋選手、織田信成選手も、素晴らしい演技を沢山届けてくれましたよね。エフゲニー・プルシェンコ選手は、どうかお体を大切に。そして、このお話を読んでくれた読者の方にも、ありがとうを。おまけに、プログラムの曲名と演技構成を乗せて、締めくくりとさせて頂きます。



凪吉奏音
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