イジワル上司に恋をして
「こっちの報告とか、ちょっと気になることとかあって、早めに連絡取りたいんだけどさ」
そうなんだ。いや、でも……。
わたしの顔色に気付いてしまったのか、少し真面目なトーンで修哉さんが言った。
「キミさ。優哉が最近困ってた……とかそういうの、知らない?」
「修哉。そんなこと……」
「あ。知らないならいーんだ」
その後すぐに、事情を知っていそうな雰囲気で女性が口を挟んだ。
それを受けた修哉さんは、ニカッと笑って軽く手を上げると、また元の声色に戻った。
穏やかな空気に戻したように見えるけど、わたしにはやっぱり今の修哉さんの真剣な目が頭から離れない。
困るような内容かどうか。
修哉さんの言っていることに当てはまるのかはわからないけど……。
「困ってた、って……具体的にどういうことで……?」
「……なにか、心当たりあるの?」
我慢しきれずにこっちから聞き返すと、修哉さんの顔つきがまた変わった。真面目な顔つきになると、余計にアイツに似ているかもしれない。
そんなことを思っていたら、しばらく修哉さんはわたしを見定めるかのようにジッと見つめてきた。
そして、信用してもらえたのか……。ゆっくりと口を開く。
「……ある女性が、優哉に迷惑掛けてないかな、って」
――女性。それはもう、あの人以外にいない。